本業(河川屋)で使ったのでまとめておきます。
SI-CAT DDS5TKとは
気候変動適応技術社会実装プログラム SI-CAT(Social Implementation Program on Climate Change Adaptation Technology)によって作成された,力学的ダウンスケーリングによる水平解像度5kmのデータセット(「大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ(東北から九州)by SI-CAT」,以下,SI-CAT DDS5TK と略す)
このデータはアンサンブル気候予測データベースd4PDFの20km解像度データを5kmにダウンスケーリングしたものである.
計算手法等は以下を参照
出典:大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ(東北から九州)by SI-CAT (SI-CAT DDS5TK) の概要 https://www.restec.or.jp/si-cat/_public/202003b/SI-CAT%20DDS5TK%E6%A6%82%E8%A6%81_200228.pdf
解析の対象期間
- 現在:1980-2011、現在:12パターン
- 将来:2080-2111、将来:12パターン(6SST×2摂動)
であり、オリジナルのd4pdf 20kmと比較すると期間が短く、摂動およびSST(海面水温)の数がかなり少ない。
オリジナルのd4pdf 20kmは、解析期間約50年を連続して計算していますが、SI-CAT DDS5TKは1年ごとに7/24 00UTC ~ 翌年 8/31 00UTC期間で計算をしています。そのため、7/24~8/31までは助走期間として9/1からのデータを使用することが推奨されています。
出典:SI-CAT DDS5TK FAQ (2020.2.28) https://www.restec.or.jp/si-cat/_public/202003b/FAQ%E6%A1%88_200228.pdf
出典:国土交通省 第4回 気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会(令和元年5月31日)資料2-2 気候変動を踏まえた治水計画の前提となる外力の設定にかかる予測モデルの評価 https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai04kai/02_2_model_hyouka.pdf
解析の対象エリア
上記のとおり、九州~本州までを対象としています。
データ点数は、301×321=96,621です。
定義点を図化すると下のとおりです。(データが必要な方はコメント、DMください。公開します。)
データの座標系、地図投映法
地図投映法は、上記の対象エリアを矩形領域で定義するために、ランベルト正角円錐図法(標準緯度:北緯 30 度,60 度,標準経度:東経 140 度)を使用しています。
CRSは次のとおりです。(間違っていたらすいません。)
+proj=lcc +lat_0=0 +lon_0=140 +lat_1=30 +lat_2=60 +x_0=0 +y_0=0 +datum=WGS84 +units=m +no_defs
出典:大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ(東北から九州)by SI-CAT (SI-CAT DDS5TK) の概要 https://www.restec.or.jp/si-cat/_public/202003b/SI-CAT%20DDS5TK%E6%A6%82%E8%A6%81_200228.pdf
河川計画への適用について
北大 山田先生の資料によると、河川流域程度の範囲で検討を行う場合は、20kmでは再現精度が悪いため、5km解像度のデータを使う必要があるとのことです。
出典:国土交通省 第4回 気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会(令和元年5月31日)資料2-2 気候変動を踏まえた治水計画の前提となる外力の設定にかかる予測モデルの評価 https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai04kai/02_2_model_hyouka.pdf
河川屋ならよく見る以下の「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」のデータは、d4pdf(5km、SI-CAT)およびd4pdf(5km、yamada)(北海道のみ)を使用して作成されています。
出典:「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」提言 (令和3年4月改訂)【概要】気候変動を踏まえた治水計画のあり方(改訂) https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/pdf/r0304/00_gaiyou.pdf
公開場所
DIAS上で公開されています。
ただし、全てダウンロードするのは非現実なくらい大変です。 オリジナルのd4pdfのようにエリア指定は出来ないです。