過去記事1(衛生画像planetで複列砂州の変化をレンダリングしてみた - 趣味で計算流砂水理 )、過去記事2(衛星画像planetで遊んでみる:天竜川河口付近 - 趣味で計算流砂水理) と同じ複列、多列砂州河道ですが、過去記事は河床材料が礫で今回のものは砂です。 ちょっと見にくいですが、随分雰囲気が違うと思います。
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これは斐伊川ですね。砂河川の多列砂州河道は我が国にはほとんどないのでレアです。実際にみると本当に美しいです(ググるといろんな写真が見れます)。 ストリートビューはこんな感じです。
過去に流れだけのテスト計算をやっていました。(オープンデータによる河川流解析:平面二次元流解析 - 趣味で計算流砂水理) 河床変動計算もやってみようかな。
ちょっとマニアックな話を
これまでに例を示した砂州ですが、川幅スケールの地形変化ということで中規模河床形態と呼ばれます。 これは、土木学会水理委員会移動床流れの抵抗と河床形状研究小委員会:移動床流れにおける河床形態と粗度(土木学会論文報告集210(1973)65–91) で定義されて以来、国内では標準になっています。海外では普通にSand barと呼ばれることが多い気がします。
砂州の高さは河床材料の粒径によって決定します。そのため、礫河床では砂州高が高く、砂河川では砂州高が低くなります。
砂州の列数は川幅に依存します。そのため、川幅を大きくすればほとんど河川で砂州が形成されます。例外は背水影響を受ける区間です。 日本に多列砂州河川が少ない要因は、人為的に川幅を決めているためです。 つまり、諸外国と比較して相対的に川幅が小さいということです。 私の強い思いでもありますが、今後の川づくりの基本方針として川幅(堤防間)を大きくすること検討すべきです。 これにより治水能力の向上だけでなく、砂州の持つ生物多様性や美しい景観も形成されます。
河道計画に長く携わってきた方は、この方法が唯一のサステイナブルな川づくりであることは理解しているのですが、河川沿いに家屋が密集しているなどの制約により実現できないのが現状です。
これまでのplanetの関連記事です。
computational-sediment-hyd.hatenablog.jp