頭の中の整理です。
これからの川のあり方-管理から共存、共生へ
これまでの河道改修は正しかったのか:信濃川大河津分水路を例に
建設技術講習会資料より抜粋
- 通水後急激な河床低下が発生して昭和2年に堰が陥没
- 堰、床止めを作りながら河床高を維持。現在大規模な改修を実施中。
- 大河津分水路のように100年前につくらた水路であっても、河床は不安定であり、洗掘のリスクがある。 ⇒ 永遠の維持・管理が必要
- 気候変動等の外力の増加により被災リスクはさらに高まる。
- 人の経済活動と川の自律的な変動との関係を見直す必要がでてきている。
新たな川のあり方:ダム撤去
- アメリカでは、ダムの老朽化、利水需要の減少をきっかけにダム撤去が進められている。
- ダムによって遮断された土砂の連続性を取り戻すことによる環境改善を目標としている。
- 日本では球磨川の荒瀬ダムが撤去された。
米国西部でダム3基撤去へ、自然再生めざす | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
新たな川のあり方:河川の復元
- 特に欧州では、堤防拡幅、護岸の撤去・低水路拡幅、堰、床止めの撤去等によるriver restoration(河川の復元)事業が進められている。
- 川、流路の自律的な変動を許容することによる環境改善を目標としている。
参考
- What is (ecological) river restoration?
- Stream restoration - Wikipedia
- http://www.rfc.or.jp/2019_europe.pdf
これからの川のあり方
- 川の変動を許容する=川の再定義
- 川は本来は、適度に洪水が発生し、それに伴い土砂が流れ、適度に流路が変動するもの。
- 川のSDGs
- 川の変動を許容する = 構造物の撤去 = ほぼメンテナンスフリー = サステイナブル
- 変動を許容するためには、川幅(堤防間)を大きくする必要があり、治水安全度の向上につながる。
- 川の変化の予測技術の開発
- 現時点では、「ダム撤去」や「河川の復元」の影響を物理モデルにより予測することは難しい。
- 予測技術の開発により、上記のようなアプローチの普及が加速すると考えられる。
参考
リンク
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昔書いた記事です。