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マニング則の適用水深範囲について:粗度係数と相当粗度の関係より

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河川流計算では河床の摩擦抵抗評価にマニング則が広く用いられます。 その理由は、マニングの粗度係数が水深によってほとんど変わらず、使い勝手が良いためです。

そこで、マニング則がどのような水深レンジまで適用できるのかを簡単にまとめてみました。

手法

マニング則と対数則を用いて、水深ごとの粗度係数と相当粗度の関係がどうなるかを示す。

マニング則を抵抗係数C_fで書き換えると次式となる。


C_f = \frac{g n^2}{h^{1/3}}

同様に、水深平均した対数則(粗面乱流)を書き換えると次式となる。


C_f = \dfrac{1}{\left[\dfrac{1}{\kappa}\log_e\left(\dfrac{11h}{k_s}\right)\right]^2}

ここに、\kappa:カルマン定数、n:マニングの粗度係数、k_s:相当粗度とする。

これらを連立して導いた、水深ごとのnk_sの関係は下図となる。

f:id:SedimentHydraulics:20200321155540p:plain

拡大縮小できるものはこちら

考察

k_s:4mm(河床粒径が約2mm)の場合

上図を拡大してみると下図となり、k_sが4mmのとき水深が0.01~10mでマニングの粗度係数nは0.015~0.018とほとんど変わらない。

⇒ 通常の計算ではマニング則で問題ない。

f:id:SedimentHydraulics:20200321163614p:plain

k_s:4cm(河床粒径が約2cm)の場合

同様にみると、k_sが4cmのとき水深が0.1~10mでマニングの粗度係数nは0.021~0.024とほとんど変わらないが、水深が0.01mではnは0.05と急激に上昇する。

⇒ 当たり前ですが、水深が粗度層以下になるのでマニング則は使えない。

f:id:SedimentHydraulics:20200321163629p:plain

まとめ

一次元流れのように十分な水深がある計算では問題ないですが、多次元で砂州のようなドライベッドが連続する河床での計算ではマニング則の適用について考えましょう。

githubにも同じ内容+グラフのコード等を上げてます。

Jupyter Notebook Viewer

参考

はてなTeX規則すぐに忘れる。

はてなブログでtexの数式がうまく表示されない場合の対処法 - INPUTしたらOUTPUT!


この内容もとある計算の準備です。