趣味で計算流砂水理 Computational Sediment Hydraulics for Fun Learning

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拡散波

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LPIについて

An LPI Numerical Implicit Solution for Unsteady Mixed-Flow Simulation

論文を読んでみました。 なお、FLDWAVの解説書は下記のようです。 http://www.rivermechanics.net/models/fldwav_doc.pdf

元々、LPI techniqueは、常射混在流れの場合、4点陰形式スキームだと数値的安定性が損なわれるために開発されたスキームのようです。慣性項を小さくすることで、 結果として、拡散モデルの近似に近づくようなスキームです。 (もうすでに熟読されていたらすみません)

  • パラメータσ(Fr数の関数)を用いることで、安定性を図る。
  • Fr数が1に近づくにつれて、慣性項を小さく見積もる。
  • 限界流もしくは射流の場合、完全な拡散モデルとなる。
  • ユーザーが設定する値mは大体3~5程度である。
  • 矩形の簡易モデルで、ダイナミックとLPIを比較して、error値を評価している。

以前頂いたWuさんスキームのプログラムにLPIを載せようとしましたが、 場合分けが必要なことと、初期条件の設定が不味く、上手くいきませんでした。 もうちょっといじってみます。

感想ですが、やはり物理的意味はないように思います。 4点陰形式の解法を前提として、「如何に安定的に解くか」が目的のように感じます。

実際に射流になった場合、拡散モデルの妥当性を確認する必要があるかなと。 不等流計算でこれを用いる理由はわかりません。限界流でも良いような気がしますが。 流下方向1次元の流れを考えたときには、死水域や植生を考慮して調整するのが妥当かと思います。

あと風応力の項Wが入っていたのは、さすがだなと思います。

平野先生の本

遅ればせながら、購入しました。 自分で実装してみて不具合がありましたが、 本書を読んで不具合の理由が理解できました。 ただ、自由表面は入れてないので、VOFを入れて早く追いつきたいです。 この本の良いところは

  • 基礎式から丁寧に説明されている。
  • 数値解析についても必要な部分の記載がある。
  • 行列解法の記載がされている。
  • MAC法、SIMPLE法の両方が記載されている。
  • プログラムは77形式で冗長的だが、書籍と合わせて読めば、わかりやすい。

な感じでした。欲を言えば、不等間隔格子でしょうか? ただ、不等間隔格子は1次元限定な気もするので必要ないといえばそうですが。