反響の多かった過去記事:(未解決)測量の高解像度を意識して、浅水流一次元計算でdxをかなり小さくすると上手くいかない件について - 趣味で計算流砂水理 Computational Sediment Hydraulics for Fun Learningについて、スタッガード格子の離散化の問題点を修正したため投稿します。
課題:dxが小さい場合に一次元不定流計算の結果がおかしい
過去記事で以下の課題が見られました。
- 一次元浅水流計算でdxを小さくしていくと、dx=0.5mの場合、計算水位が相対的に大きくなる。(下図、再掲)
- dxが小さい場合に不等流計算と不定流計算に差異が生じる。(下図、再掲)
この課題のうち、スタッガードスキームについて解決したため、以降にまとめます。
一般断面の一次元不定流計算の基礎式
- 一般断面の一次元不定流計算の基礎式は以下となります。(上:質量保存則(連続式)、下:運動量保存則)
が河床の摩擦損失のみの場合、マニング則を用いると以下となります。
- 一般断面の場合、
、
のため、上記のような式形となります。
基礎式のスタッガードスキームによる離散化
前回記事
- 前回の記事では、水理公式集例題プログラム集(13年版)【例題 2-9】常流・射流混在流れのコードを参考に以下の離散式を用いました。
リンク
本記事の修正点
- 今回の修正した点は、最後の式の
で示すハーフセルの流速の計算方法です。
- 風上化は行わずに中心差分に変更しました。修正した式は以下の通りとなります。
なお、通常の一次元の場合は逆流しないので、後述するサンプルコードではとして取り扱っています。
修正したプログラム
ボリュームがあるので以下のいずれかよりご確認お願いします。
※Colabの解説記事はこちら
計算結果
- 一次元浅水流計算:スタッガード格子での計算結果はdxによる差異はほとんど無くなっている。(下図)
- 重ねっていて見にくいですが、不等流計算と不定流計算に差異がほとんど無くなっている。(下図)
まとめ
- ハーフセルの流速計算を風上化⇒中心差分に変更することにより保存則を満たすことが確認できました。
- ただ、水理公式集例題プログラム集で風上化を使用している意味は何かあるはずだと思います。例えば、常流・射流混在流れの安定性など。この点は後日チェックしてみます。
- コロケート格子では同様の処理は難しいので、保存則を満たすためには他の工夫が必要になると思われます。
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参考サイト
- pythonによる可視化はHoloviews一択 - 趣味で計算流砂水理 Computational Sediment Hydraulics for Fun Learning
- はてブロにインタラクティブなグラフを埋め込む:外部htmlのとりこみ CDNとかiframeとか - 趣味で計算流砂水理 Computational Sediment Hydraulics for Fun Learning
- jupyterのTeXをはてブロのmarkdownに変換するpythonスクリプト:2024/1/3時点 - 趣味で計算流砂水理 Computational Sediment Hydraulics for Fun Learning