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土砂水理についての雑談3:砂州

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頭の中の整理です。


砂州

砂州の形状

交互砂州(単列砂州)
  • 左右交互に周期的に形成される砂州を示す。
  • その形状がゆっくりと下流方向に伝播する。(※前出のとおり、砂州上の土砂は洪水時には動いているが砂州の形状はほとんど変わらない。)
  • 日本のほとんどの大河川でみられる。

例 : 那賀川

多列砂州
  • 上述の交互砂州が河道内に2つ以上形成される砂州形状を示す。
  • 日本ではなかなかみられない。

例:斐伊川

固定砂州
  • 湾曲部にみられる砂州で経年的に形状が変化しない。 (※前出のとおり、砂州上の土砂は洪水時には動いているが砂州の形状は変わらない。)

例:太田川(左:2008年、右:1961-69年)

砂州の分類

日本では土木学会水理委員会移動床流れの抵抗と河床形状研究小委員会 で定義された次の分類を用いることが多い。

砂州の形成機構

  • 川の流れと直交方向(横断方向)に勾配があると土砂は斜め方向に転がっていく。
  • この流れの向きと土砂の向きの差によって砂州が形成される。
  • 横断方向に勾配ができるような広さの川幅があることが砂州形成の条件である。

f:id:SedimentHydraulics:20211213013808p:plain

砂州の存在意義

  • かつては川の利活用のしやすさから「狭く深い」川が多くつくられた。
  • 現在では、砂州の形成による流れ(流速、流向、水深等)の多様化が良好な河川環境を生み出すことがしられており、できるだけ「浅く広い」川をつくることが望まれている。

淀川(左:2020年、右:1936-42年)

参考書籍

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