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土砂水理についての雑談2:洪水中の川底の様子

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頭の整理です。


洪水中の川底の様子

河床波の存在

  • 洪水規模が大きくなると川底に「河床波」と呼ばれる波型の地形が形成される。
  • 海岸や砂漠でみられるものと同じ。
  • 実験水路だとわかりにくいが三次元的な形状を示す。

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  • 実河川での観測事例は多くない。
  • 近年の観測機器の精度向上に伴い、観測事例が増えつつあるが洪水中の観測は難しい。

秋田ら:水中の河床地形の面的計測とその活用方策について

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河床波の分類

  • 河床波は小規模河床形態に分類され、形状は砂漣、砂堆、反砂堆等がある。

水理委員会移動床流れの抵抗と河床形状研究小委員会:移動床流れにおける河床形態と粗度

河床波の形成機構

  • 土砂粒子の向きと流れの向きが場所によって異なる。
  • 場所によって流砂の速度が異なる。

⇒ これらが河床波を発生させる。

  • 河床波の規模は、土砂の粒径と水深の関係で決まる。
  • 水の流れの乱れ(乱流)の影響も受けるが支配的ではない。

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河床波による問題

  • 河床波が形成されると凸部の背後で流れの剥離が生じる。 ⇒ 流水への抵抗が増し、水が流れにくくなる。 ⇒ 水位が上昇する。
  • 実務では一定規模の河床波が存在することを前提に計画を立案している。

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参考書籍

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昔書いた記事です。

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