はじめに
こんな感じの多列砂州形成の計算をしてみたい。
静岡河川事務所HPよりリンク
計算結果(失敗例)
計算条件
- 平面二次元流+掃流砂単一粒径河床変動
- 流下方向13km × 川幅650m
- 格子サイズは25m x 25m
- 粒径40mm
- 周期境界条件
- 初期条件:流れ水深1.6m 河床:平均河床勾配1/400に対して粒径サイズの凹凸をランダムに与える。
- 計算時間:20000時間(25日間にかかりました)
計算結果
- 8000時間後までの河床変動量と水深を図化
- 最初のほうは多列砂州が形成されるが、時間の経過とともに単列化する。最終的にはほどんど動かない。
- 大井川等では過去100年以上は多列砂州が維持されている。つまり、計算がおかしい。
考察
- 計算では河床の擾乱が消えていくが、実現象ではそうではないため、擾乱が生成される要因が存在する。
- 黒木・岸の研究(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscej1969/1984/342/1984_342_87/_article/-char/ja/)では、その要因は流砂の遅れ時間(非平衡性)と述べられている。
- 近年若い先生方には、実験・解析より多列砂州は維持されないという研究成果がいくつか見られるがそれは説明がつかないと思う。
- 私は局所勾配の流砂量への影響が効くのではと考えており、それを考慮した計算をやってみようと考えている。
その他
- 流体系?の先生の論文(http://traffic.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~mstf/pdf/mstf2003-01.pdf)をたまたま読んだのですが、浮遊土砂の拡散がないと河岸ができないと書いていました。河川系では、流路形成の基本は掃流砂ということは常識なので違和感が半端ないです。実際に私の計算でも掃流砂のみ流路、河岸はできているし。