檜谷先生の実験結果について
論文を読む限りだと河床高は、ある動的平衡状態を示しているのですが、 外湾側は変動速度が遅い、内湾側はそれが速い状態を示しているようです。 私の解釈では、外湾側の変動は中規模河床形態によるもの、内湾側の変動は小規模河床形態によるものと推察しております。
計測は、内湾側の洗掘が発達した時に行ったと書いてますが、よくわかりません。急に通水を止めるとか。
非常に面白いと思ったのは、小・中規模河床形態が混在していることです。 なかなか河川では見れないのですが、砂防では、砂堆の高さが大きくなるので、よく見られると聞いたことがあります。 また、実験と同様の都市河川ようなB/hの小さい河川でもあるのかもしれません。
中規模河床形態の計算について
中規模化床形態は、線形安定化解析でも理解できるとおり、 水深平均流れ場と平衡流砂量式で解析できるはずだと理解しております。 多くの人は局所勾配を考慮した平衡流砂量式を使っております。 位相の変化まで計算できるかは分かりませんが、列数くらいまでなら解けそうな気がします。
小規模河床形態の計算について
こちらも線形安定化解析から理解できるとおり、 鉛直二次元流れと平衡流砂量式でとけるはずです。底面はnon-slipと対数則で問題無いかと。 ただ、細田先生や清水先生の計算だと乱流モデルk-εと非平衡流砂量式を使っております。 泉先生の線形安定化解析では、それらを使わずにできているため、よく分かりません。
湾曲部の河床変動について
これらは、Engelundの研究のように、曲率の影響を考慮して、底面摩擦速度評価すれば、概ね予測できるはずですが、N*の値については、人によって変えていたりするのでなんとも言えません。
木村さんの計算の場合、河床変動に加えて流れの計算結果も実験値とずれております。この要因が河床変動に起因するものなのか、流れ自体の解析の問題なのかが分かりません。
解析をするなら
って感じですかね。